中間管理職は大変

屋上またここへ来てしまった S 氏はそう呟くと錆びついたパイプ椅子に腰を下ろした。
ここはとあるビルディングの屋上。
さほど構想でもないどこにでもありそうな場所だ彼は悩み事があるとこの場所に来る。
いや厳密に言うと来てしまうのだここがどこの何というビルなのかは全く覚えていないしまた覚えていたとしてもきっと自分の意思ではたどり着けないところなんだとなんとなく感じていた。
いずれにしてもここがどこであろうとどうでもよかった。
S 氏は平凡なサラリーマン。
上司からは叱られ部下からは突き上げられご多分に漏れない中間管理職であった。
悩み事と言っても大それたものではなく些細なことが多い。
自分の成果を上司に横取りされたりデータ収集やなん交渉など人がやりたがらない仕事を押し付けられたりだが S 氏は仕事にはそれほど不満があるわけではなかった。